3・3モジュールの3つの強み

こんにちは、小河勝(オゴウ マサル)です。

このHPは小学生、中学生で「計算間違いが多い」「勉強がしんどくなってきた」「勉強は嫌いじゃないけど、テストで時間内に終われない」といった方のために記事を書いています。

私のおすすめの勉強方法は「3・3モジュール」という方法です。記憶の定着効果が高く、自由に思考するための勉強の基礎体力をアップさせる方法なので是非、最後まで読んで実践してみてください。

「頭にすいすい入ってくる」「見える景色が変わって今までと全然違う!」という日が必ず来るはずです。

さて、「モジュール」という言葉をご存じでしょうか?学校の授業形態として耳馴染みがある方もいらっしゃると思いますが、もともとは「部品」という意味を持っています。

「3・3モジュール」とは「3日分を少しづつズラして3回繰り返す方法」として私が作った名前です。

イメージはこんな感じですね。↓

3・3モジュールの進め方

図のように、毎日新しいページを1つ増やし、3ページを1日分として進めて行きます。

先ほども少し触れましたが、この方法を行うと次のようなメリットがあります。

  1. 記憶の定着率が高い
  2. しんどさが1/3に減る
  3. 「当たり前」が無意識に出来るようになる

なぜそんなことが言えるのか? 1つづつ説明していきますね。

1. 記憶の定着率が高い

「忘却曲線」というグラフをご存知でしょうか?

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った実験で、3日連続で学習した場合、1回だけの場合と比べて格段に記憶が定着することを示すデータです。下のグラフを見てください。

縦軸は覚えている量、横軸は経過した時間です。横軸の「0」が最初に覚えた時です。何もしなければ青色の線のように記憶している量は20%まで減っていきます。テスト前に必死で覚えて、テストが終わればすっかり忘れている状態ですね。

一方、覚えた次の日とその次の日に2回同じ内容を覚えなおしたらどうなるか?

3回目に覚え直した後を見てください。忘れる傾斜が緩くなっているのが分かりますか?

つまり、3日続けて同じ内容を復讐すると、その後の定着率が大幅にアップすることが科学的に証明されているのです。

不思議なのですが、一度寝て、少し忘れて、再度覚えなおすのが良いようです。

この方法は色んな所で使えます。お使いの参考書や問題集でも、何か暗記しないといけない原稿でもなんでも。

そして、「繰り返すと非常に効率よく定着する」これを基礎計算トレーニングにも活かすべく作成されたのが「小河式3・3モジュール」シリーズなのです。

2. しんどさが1/3に減る

 3日繰り返すと記憶の定着が大幅にアップすることは分かりました。

でも、「量も増えるし大変。めんどくさい」と感じる方もいるでしょう。

でも想像してみてください。もちろん1回目に覚えるときはしんどいです。では2日目はどうでしょう?当たり前ですが、かなり覚えているのでそれほどしんどくないのです。

 そして、3日目は「え、もー覚えてるし、良くない?」と感じてしまうほど、楽なんです。(でも、そー言わず、3日目もきちっと機械的にやってくださいね。ここが味噌なので。)

 これってとってもお得だと思いませんか?

せっかくしんどい思いをして頭に入れたなら、楽なうちにあと2日復習しておくだけで、長期にわたってすっごく頭に残っているのです。

 クリアするべきは目の前の定期テストだけではありません、高校入試や大学入試、社会人になって仕事や生活で使う方もいらっしゃるでしょう。学習した内容は立派な知的財産です。効率よく倍増させておきましょう。

とにもかくにも、「しんどくないうちに3回やっちゃう」は大変お得で、これをやらない手はないんです。

3. 「当たり前」が無意識に出来るようになる

「勉強」といっても色々ありますが、私たちは勉強には大きく分けて次の3つの種類があると考えています。

  1. 知識を増やす勉強(暗記)
  2. 応用が利くように理解する勉強 (思考・理解)
  3. 処理の精度とスピードを高めるトレーニング (脊髄反射)

私たちが扱っているのは3番目の勉強についてです。

特に小学校段階の基礎計算はスムーズに間違いなく出来なければなりません。例えるなら「呼吸をするように」です。

 小学校段階の基礎計算や国語力は水泳で例えるなら「息継ぎ」や「バタ足」に相当します。「息継ぎ」や「バタ足」がスムーズにできないのに、バタフライや背泳ぎをしようとしたら溺れます。プールそのものが嫌いになってしまうと思いませんか? 

 自転車で進む時の「ペダルをこぐ」「ハンドル操作」に例えることも出来ます。自転車に乗るときは周囲の危険や進む方向の決定に頭を使います。ペダルの回し方やハンドルの切り方を常に頭でやっている人はほとんどいないでしょう。

人は一度にたくさんのことを考えられません。危険を察知し、状況判断によって行きたい方向に進むための思考に集中するためには、「ハンドル操作」や「ペダルのこぎ方」を考えていてはいけないのです。「ハンドル操作」や「ペダルのこぎ方」は「無意識に出来て当たり前」、これらを無意識に出来なければ、街中や車の通る道を横断して目的地に行くことは出来ないのです。

勉強も同じです。皆さんが想像する「勉強」とは2番目の「思考する・理解する・応用する勉強」だと思います。しかし、2番のような勉強では、必ず1桁の足し算・引き算、掛け算や文章理解などが同時並行で行われるはずです。問題の全体像を把握して、解決の切り口や手段を考える時に、漢字の読み方や足し算・引き算などで引っ掛かってそっちに気を取られていたら、考えられるはずはありません。

しかし、多くの方がこの段階のトレーニングを飛ばしたまま進んでしまい、知らず知らずの間に段々と「自分は出来ない、勉強がしんどい」「テストで点数が上がらない」といった悩みを抱えておられるのが現状です。 

繰り返しますが、テストに出てくる問題の多くは2のタイプの勉強であり、文章理解や基礎計算が当たり前に出来ないゆえの「思考停止」に陥る。

「当たり前」を当たり前に出来るってとても重要なことなのです。

「確かに、そうだなぁ」と思われた方は、是非、上記のやり方を実践してみてください。2日目、3日目が想像以上に楽なことが分かるはずです。そして、目に見えて成績が上がりますよ。

まとめ

ここでは、3・3モジュールの3つのメリットについて

  1. 記憶の定着率が高い
  2. しんどさが1/3に減る
  3. 「当たり前」が無意識に出来るようになる

という3つの切り口でお伝えしてきました。

「私はゆっくり少しづつ進みたい」とか、「短期間で早く終わらせたいから1回分を増やそう」など、それぞれの状況に合わせた工夫をしてみるのも良いですね。私からのアドバイスとしては「とにかく毎日続けてください」です。

3・3モジュールを続けていくと「自己分析や自己管理が出来るようになる」とか「ハイパーフォーカスの自己コントロールが上手くなる」など他にも良いことがたくさん起こります。それらについては長くなるので、またの機会にしましょう。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。