ブログ◆4:アフリカでの「指計算」の話

◆4:アフリカで見た「指計算」の実態

まず次の写真を見て下さい。

これはザンビアの小学校5年生の少女の数学のノートです。このノートを見るだけでもこの人がどんなに真面目で頑張り屋さんであるかがよく分かります。こういうところにその人の性格が表れます。きっと家事労働も手を抜かず毎日毎日一生懸命しているのでしょう。

この人のノートの記録を見るとこの子どもたちがどのように計算をしているかがよくわかります。というより、大人も実は基本的にやり方は同じなのです。

「96÷16」の計算は?→棒を96本書いて、16本ずつくくって、そのあといくつ束ねたか数える・・

左の赤丸の部分を右へ拡大してあります。やっている問題は「96÷16」です。ここをよく見ると短い棒がずらっと並んでいます。数えると96本あります。それを16本ずつくくっているのです。幾つくくったものができるかという訳です。こうやってこの割り算をしているのですが、何と時間と労力のかかることだと思いませんか。あらゆる計算をこのようにやっているのかと思うとその途方もない労力に感心します。周りにもたくさん棒が書いてありますが、これは計算する毎にそれだけの数の棒を書いているのです。例えば「56+78」などという問題もこうしてします。56本棒を書き、78本棒を書き、その両方のグループを始めから数えていくのです。

「67-38」の計算はどうする?

「67―38」はどうするのか。67本の棒を書き、そこから38本の数だけ消していくのです。残りが答えになります。彼らの計算をしている様子を見ていると誰もかれもがカウンティングしていますから恥ずかしいなんて思いません。私が見ていても平気です。足の指迄使って数えています。先生も「しっかりカウンティングしなさい」と言って指導します。

日本でも「最初はカウンティングから始まる」けれど、減っていく・・

しかし、日本では指でカウンティングしている子は格好悪いと思うのでしょう。次第に数は減っていきます。

やり方が「合成分解」に変わっていくからでしょうが、中にはやり方は指計算のままなのに、指で計算すること自体恥ずかしいから隠し、頭の中で指計算をやっている子もいます。困ったことですが、そういう人は間違いをたくさん犯します。外国でこの女の子のようなやり方が面倒でできないと思う子供はどうするのでしょう。そういう子たちは、結局このような計算は一切できないことになってしまいます。

むしろ怖いのは、「隠れ指計算」

やり方は指計算のままなのに、指で計算すること自体恥ずかしいからと隠し、頭の中で指計算をやっている子どもたちのことが心配なのです。

「隠れ指計算」の場合、100マス計算でも全問正解ななく、たくさんのまちがいが生じます。

「隠れ指計算」から、子どもたちを救いたい! 

こうした実際に苦しんでいる子どもたちを救いたい。そんな思いを強くしています。100マス計算の利用できっと次の段階へ進めます。

100マス計算を全問正解にできない状態を見つけたら、それはチャンスです。いつも間違う問題がどれか?それを見つけることが解決につながります。

目的は、間違いの数を探すことではなく、自分が「間違う問題」を知ること!

100マス計算の目的は、間違いの数を探すことではなく、「自分が間違う問題」を見つけて、「合成分解」の計算法で「正確に、素早く進めていけるコツ」をつかむかことなのです。

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小河勝

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