100マスの前に「サクランボ計算」を!

100マス計算自体はよく知られていますが以下の事実が余り理解されていませんのでこの説明から始めます。

「10になるために必要な数」に分解する

足し算の繰り上がりがポイントになります。

   下の図を見てください。100マスの基本は縦に並んだ数に対して上段に並んだ数を足して矢印の方向に進んでいきます。

この場合、8に2を足して10を作ることで「繰り上がり」が発生します。

つまり、最終的には上段に並んだ数から2を引いた数だけを意識することになります。

「8は2を足すと10」です。だから次のようになります。

「8+7」の場合  7⇒2+5、だから7を分解して 8+2+5⇒10+5=15 です。

次の「8+6」も 「8+2」 = 10 だから、6を分解して6=2+4となるから

「8+6」=「8+2+4」⇒「10+4」=「14」となります。

5の場合も同じです。「5=2+3」です。だから「8+5」⇒「8+2+3」⇒「10+3」=「13」

このように、左の数字が8なら、常に「8+2=10」となるように組み合わせを考えればいいのです。左の数字が7なら3を作ればいい。そのため「6=3+3」、「8=3+5」、「5=3+2」とします。

これが繰り上がりの計算方法です。

「左の数が8であれば2を作る」ように上の数を分解する。兎に角、10を作る。上の数はとにかく、2を作ればいい。

じゃぁ、「繰り上がりのない計算は?」というと、繰り上がりのない「8+1」や「8+2」は単に9や10です。

難しくないのでそれほど問題にならないのです。

100マス計算が早い人の「目の動き」

今度は縦の段が変わるとどうなるか、見ていきましょう。

先ほど1段だけの例だと繰り上がり計算では「8+〇」で右に進みました。

次の4段のマス計算を見てください。

縦の数字は左側に8,9,7,6と並んでいます。

上段には先ほどと同じように7,6,5、8・・・と並んでいますね。

繰り上がりで、最初、8には2でした。次の2段目、8が9に変わりました。

「9+1=10」ですから、9には1を足せばいい。だから6は1と5に分解します。

この段を右へ進む時、「9+6」⇒「9+1+5」⇒「10+5」⇒「15」となります。

このように同じくずっと「9+1」を作るような作業が続きます。

次の段の7に変わると、「7+3=10」ですから、7に対し、すべて「3+〇」にします。

次の段、左の数が6ならば「6=4+2」ですからとにかく4を作ればいい。

だから「6+7」は「6+4+3」=「10+3」=「13」

「8=2+6」、「9=1+8」と同じで、「7=3+4」、「6=4+2」という具合に分解する数が変わります。

つまり縦の段が変わると上の数を分解して作る数が変わるのです。

横に進む場合、左の数、例えば7の場合、上の数から3を分けていけばいい。

計算が早い人は縦の数を見て、10になるために必要な数、例えば8の場合は2、9の場合は1で、補数といいますが、この補数を記憶して、あとは上段の数を確認するだけという目の動きをします。

左側の数字に何度も戻ったりはしません。

上段の数を補数と残りに分解して、十の位の横に高速で書いていく。 これが100マス計算が早い人の頭の中です。

とにもかくにも「10を作るには?」を考えて、それを繰り返しを続けていけばいいのです。

これが繰り上がり計算の練習で使う、「100マス計算」のポイントです。

繰り上がり計算を練習するにはこの「サクランボ計算」と呼ぶ練習が効果的です。 

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小河勝

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